善勝寺(岐阜県郡上市)H22.5.2     
  
善勝寺は郡上市の北部・旧白鳥町中心地から更に県道82号を東の山奥へ入った場所にあります。現在は寺の先は行き止まりになっている県道ですが、昔はその先にある霊山・白尾山へ通じる道として人が行き交っていたそうです。その道の脇に1357年、天台宗の僧がお堂を建てたのがはじまりで、その後安土桃山時代に郡上藩藩主であった遠藤家が藩内の各社寺に桜を植えたものの一つとして善勝寺に植えられたのが現在の桜です。

善勝寺の桜は樹齢約400年のエドヒガンザクラで、幹の周りは4.32m、高さは18・5m、枝の広がりは東西に約30m・南北に約19mと、立派な桜の木に成長しています。古い巨木でありながら、見る限り大きな痛みもなく健康な状態を保っています。昔の霊山参りの人の見返り桜として知られていた時期から現在まで大事に育てられた証だと思います。なお、1973年(昭和48年)に、岐阜県天然記念物に指定されています。

現地到着して、まず寺の道路沿いの石垣に、桃・レンギョウ・芝桜等が所狭しと植えられているのが眼に入ります。これだけでも見応えはありますが、更に道を進むと目当ての桜の他、道を挟んだ脇にも桜が多く咲いています。


善勝寺の桜は少し小高い丘の上にあり、その桜のみが堂々とした姿で立っています。下から見上げる桜は貫禄があります。逆に道を挟んだところの桜は道よりも更に低い場所に群生しているので、善勝寺の桜からは見下ろす状態になります。

場所に高低差があるので色々な角度で撮影ができますが、私が訪れた5月上旬はピークが過ぎており、撮影する角度が若干限られた感があったのが残念です。当日は朝早く到着したこともあり人が殆どいませんでしたが、見頃である4月下旬はかなりの人が訪れるのではないかと思います。