湯川渓谷(長野県南牧村)H24.12.28
湯川渓谷は長野県南牧村にある渓谷です。冬に大規模な氷瀑が現れる場所としてインターネットで紹介されているのを見てから、いつか行ってみたいと思っていましたが、平成24年の正月休みに突然訪問を決行しました。

場所は八ヶ岳の東側に位置しており、付近の滝や鉄道を撮影しようと寄り道しましたが、鉄道は良いアングルが見つからず、滝は「岩肌に少量の水が流れている」程度でした。加えて滝までの林道で車がスピンを起こして谷に落ちそうにもなりました。

気を取り直していよいよ湯川渓谷に向かうも、国道141号の清里高原を抜ける峠越えの坂道で凍結の為タイヤが空回りして殆ど前に進まず、後続車に迷惑をかけてしまいました。何とかJR小海線海尻駅手前の湯川を超える橋に到着し、そこから左折で湯川沿いの林道で渓谷に向かいましたが、しばらく行くと雪が積もって車が進めなくなりました。車から降りて歩き出すと、すぐ林道右側の斜面に見事な氷柱が広い範囲で姿を現しました。インターネットで確認した画像とは違うものの、これほど美しい氷柱のカーテンを生で見たことがなかったので、これまでの苦労が吹っ飛ぶくらい興奮して撮影していました。しかしここで見た氷柱はまだ序の口でした。

その後林道は川沿いに続きますが、川より結構上の高い場所に位置していました。川と林道の間には木が生えており、若干川が見えにくい状態が続きましたが、一部分開けた場所で対岸を見ると、岩があったであろう場所一面が氷柱で埋め尽くされているのが見えました。確かにインターネットで確認した場所でした。

人が通ったけもの道を通って川べりまで下った後、岩場に足を置きながら対岸に近づいて行きました。それでも川に入らないと近づけない場所があったので川に足を入れました。こうなることを予想して、沢登り用の靴を履いていましたが、思いのほか水量が多かったのか、すぐに水が靴の中に入ってしまいました。すぐに開き直ってお構いなく川を歩きましたが、目の前の風景に興奮しているのか、思った程水を冷たく感じませんでした。

氷柱の壁は左右の長さは優に100メートルは超えており、高さも30メートル程とまさに壁といえるものでした。一部は溶けてしまったのか岩肌が少し見えている部分もありましたが、わざわざ遠方から撮影に訪れた甲斐があったといえる範囲だと思いました。インターネットでは更に上流に川幅が狭い箇所があり、左右が氷柱の壁に挟まれた箇所もあるとのことでしたが、恐らく林道の雪の量はこの日の方が多かったようで、さすがに奥まで行く根性がありませんでした。撮影をひとしきり終わった後で、靴に入った水の冷たさを感じだしたので、気合が萎えてしまったのかもしれません。

ひとまず満足して下山し、雪景色の撮影を続けたものの、その後は散々な結果に終わりました。
今考えてみれば、湯川渓谷であまりにも満足しすぎて、その後の雪景色の中で撮影に適した風景を探すというハングリーさを失ってしまった感があります。これからはどんな状況でも諦めずに被写体を探し続ける努力をしようと思います。