芳ヶ平(群馬県中之条町)H12.10.7
芳ヶ平は草津白根山の裏側である中之条町と草津町に広がる湿原で、草津白根山(2160m)の火山活動に大きく影響を受け形成された湿地・河川・池沼群です。荒々しい白根山とは対照的に、池塘の周囲にワタアスゲ・オウギアヤメ・リンドウ等約300種類の植物が自生する静かで美しい高原で、上信越高原国立公園の特別地域としてハイキングを楽しむことができます。

渋峠から見下ろす芳ヶ平の美しさは有名で、朝早くからの光線が立体感を生み、とても神秘的な景色を見せてくれます。私も期待して行きましたが、少し到着が遅れたため、太陽が登りすぎて強烈な逆光にしかならず、通常の撮影すらままならない状態になってしまいました。もし同じ狙いで訪れる時は、夜明け前からスタンバイする必要があるでしょう。

芳ヶ平へのアプローチは全て徒歩で、天然記念物チャツボミゴケ公園からのルート、草津白根山からのルート、渋峠からのルートがあります。一番距離が近い渋峠からのルートを私たちも選びましたが、国道292号線の石碑「日本国道最高地点」のある駐車場から3キロ程の急な下り坂をひたすら1時間下り続けます。下まで降りると、芳ヶ平湿地群がありますが、湿地群は歩いて20分程で一回り出来たため、その後私たちはそこから草津白根山まで歩くことにしました。

途中一瞬霧が立ち込めたもののすぐに晴れ、クマザサの広がる大地にナナカマドの紅葉が点在する世界は、完全に日本離れした美しさでした。あまりに広大すぎて、歩いても景色がなかなか変わらないのは辛く、勿論日陰になる場所もないため、暑い日には過酷な行進になる可能性があります。その分秋は涼しく、景色も素晴らしいので、そのような辛い気持ちにはなりませんでした。

芳ヶ平を出た途端、先ほどまでの綺麗な景色が嘘のように、草津白根山まではゴツゴツとした殺風景な場所が続きます。芳ヶ平~草津白根山まではおよそ4キロ程ですが、私たちと同じルートで散策すると、草津白根山から渋峠まで戻る必要がある(国道経由で)のでご注意下さい。