安の滝(秋田県北秋田市)H8.9.9    

安の滝は日本の滝100選に選ばれており、マタギ(熊を追いかける猟師)の郷として有名な旧阿仁町の山奥にあります。秋田内陸縦貫鉄道・「阿仁マタギ」駅が滝の入口となる駅ですが、徒歩だと10kmはあるので車利用が一般的です。打当川沿いの林道を上流方面に走り、途中の中ノ又沢へ続く林道に入ります。この林道は車一台分の幅しかない本格的な林道なのでご注意ください(5キロ程走る必要があります)。林道の行き止まりには駐車場やトイレがあり、そこから続く遊歩道を40分程歩くこととなります。滝までの遊歩道はきちんと整備されており、アップダウンも少ないので歩きやすいですが、マタギの郷なので熊の出没には十分ご注意下さい。

安の滝が見えてくると、かなり高い場所にある滝に圧倒されます。滝は二段になっており、上段は60m、下段は30mです。下段の滝下に遊歩道が続いているので、単純に上段を見るには30m登る必要があります。実際に遊歩道は上段の滝つぼの高さを越え、中腹から見下ろす高さまで登ることになります。上段の流身は水量が多くはないものの、途中の岩が斜めに亀裂が入っているので、数ヶ所で水が斜めに流れる美しい姿をしています。大きさもかなりあって静かな流れの中にも迫力があり、全国トップレベルの美しさと言われているだけあります。私が訪れたきっかけも、有名な風景写真家が「この滝が世界で一番美しい」と断言していたからですが、本当に訪れて良かったです。ちなみに秋に再度訪問した画像については「紅葉のページ」で別掲載しています。なお、私が訪れた当日は曇り空でしたが、晴天の時は午前中が逆光になるので、撮影されるなら午後がお薦めです。

滝の名前の由来は、300年程前に、叶わぬ恋に絶望した末、この滝から身を投げた娘・ヤスの名から来ています。