山中渓(阪和線)H22.4.4
山中渓駅はJR阪和線の駅で、阪和線内では大阪府内の最南端にある駅です。和歌山県との府県境となる和泉山脈の雄ノ山峠を越えることもあり、南隣の紀伊駅と山中渓駅との距離は阪和線で最も長い8.1キロとなっています。山中渓には江戸時代には紀州街道沿いに20件余りの宿が並ぶ宿場町があり、既に温泉が湧き出ることで知られていました。昭和5年(1930年)に阪和線が延伸して山中渓駅が開業してからは、一帯は山中渓温泉として華やかな時代がありました。しかし、台風による被害や、高速道路や沿道の拡張工事等に伴い徐々に廃れていき、現在では温泉郷には自然だけが残されている状態です。しかし当時から桜が多く咲いていた場所であったことから、近年桜の植樹やハイキングコースの整備、ホタルやアユの放流など、地元の人たちが活発な活動をしています。

山中渓付近の桜は、鉄道と絡めての撮影が可能とのことで、鉄道ファンにも人気の場所です。私も以前から訪れようと思っていましたが、丁度大阪環状線の103系の運行が無くなったことを受け、まだ103系が運用されていた阪和線での撮影を桜と絡めて行おうと思いました。国鉄車両とはいえ103系を含む電車は私の中での「通勤車両」であり、私の理想とする「田舎を走る古い車両」のイメージとは離れていましたが、ここは鉄道ファンとしての「無くなりゆく車両の記録」の意味で撮影しました。

期待通りに桜が満開で美しかったので、単なる鉄道写真に終わらない画像が撮影できたと思います。