根来寺・粉河寺(和歌山県岩出市)
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和歌山県北部にある根来寺と粉河寺は共に桜の名所として有名です。3月下旬の早めに時期に近畿地区のトップを切って桜が咲き始めます。

根来寺は岩出市にある真言宗の総本山です。1130年に高野山内にお堂が建てられたのが最初で、高野山一の勢力を誇りながらも高野山内での争いで高野山を下り、今の岩出市内に寺を築いたのが現在の根来寺の始まりです。

室町時代末期の最盛期には、根来衆とよばれる僧兵を従え一大勢力を持ちました。織田信長と協力関係にあったものの豊臣秀吉との戦いに敗れ、1585年には大師堂、大塔など数棟を残して寺は焼け落ちました。しかし現在も大塔(多宝塔・国内最大の木造多宝塔)は国宝として現存しています。

境内は広く、入口手前から桜の巨木が立ち並びます。大塔を中心に、境内の至る所にも桜の木々があります。大きな駐車場が満車になるほど観光客も多く、華やかな雰囲気があります。

根来寺から東に8km車で行った紀の川市にある粉河寺は770年創建の天台宗系の粉河観音宗の総本山であり、西国三十三ヶ所における第3番札所でもあります。

平安時代には既に栄えており、鎌倉時代には僧兵を従え、根来寺や高野山高野山金剛峯寺に匹敵する力を持っていました。1573年には境内南側の猿岡山(現在の秋葉山)に猿岡山城を築き、寺の防衛を図りましたが、1585年に豊臣秀吉との戦いによって全山が焼失してしまいました。江戸時代の1713年にも火災があり、現在残る姿はそれ以降の再建になります。

JR粉河駅からも歩いて行くことが出来ますが、以前は門前町として華やかだったらしい場所も、道路拡張のために撤去されてからは寂しくなりました。境内入口から山門までは参道があり、その横には桜並木もありますが、規模も人ごみも根来寺とはかなり差があります。それでもそれが逆に根来寺と違って落ち着いた趣がありました。

枝垂れ桜は根来寺入口前の1本しか確認できませんでした。他は全てソメイヨシノであり、撮影としては建物等の主役との組み合わせが主流になりそうです。