高遠城址公園(長野県伊那市)H18.4.23
高遠城址公園は長野県伊那市にある城跡を整備した公園です。昔、高遠城は武田信玄の五男である仁科五郎盛信の居城でしたが、織田信長の長男信忠と戦いに敗れ城は陥落し、その後明治4年(871年)の廃藩置県で城が取り壊されました。その際、城内の樹木は競売にかけられ売り払われ、城は荒地となってしまいましたが、これを見かねた旧藩士たちが城跡に桜を植樹し、城下町にあった門を移すなどして、明治8年(1875年)に公園として整備しました。今では全国でも有数の桜の名所となり、4月には、130年生以上の古木20本、50年生以上のもの500本などに若木を加えた約1,500本のタカトオコヒガンザクラが多くの花を咲かせます。

なお、このタカトオコヒガンザクラはここだけの固有種であり、花弁は小さいながら色が濃いのが最大の特徴です。さらに一本の枝にずっしりと花を付けるため、桜が密集して見応えがあるとのことです。 1960年(昭和35年)、タカトオコヒガンザクラの樹林は長野県の天然記念物に指定されました。

公園内にある赤い屋根の立派な建物は、1936年(昭和11年)に建てられた高遠閣です。現在は観光客の休憩所、案内所として使用されていますが、元々は地域の集会所として作られたものでした。

この辺りは寒い地域になるので、桜の開花が4月下旬と遅めになります。全国でも有数の桜の名所であり、かなりの混雑が予想されるため、私が訪れた際は夜明けと共に現地に到着するように行きました。早すぎて公園内の駐車場がまだ閉まっており、既に駐車待ちの車の列が出来ていました。当日は公園側も混雑を予想してか、しばらくしてから駐車場に車を誘導しはじめました。営業時間外でしたが、午前9時の観光バスが来るまでは無料開放してくれたようで、貧しい私は9時までに公園を出発するべく行動しました。

園内は噂通り桜でぎっしり埋め尽くされていました。城なのでほぼ平地なのですが、堀であったであろう部分は堀や谷があり、高低差がある分いろんな構図で撮影が出来て楽しかったです。奥の方には二階部分に上がれる展望台風の建物があり、木の上部にある桜を目の前で見ることができます。