梓川釈迦堂の桜(長野県松本市)
H10.4.18
この桜は地元では知られた桜ですが、私にとっては偶然見つけた桜でした。田んぼが広がる安曇野のあぜ道を、安養寺から田多井に向かう間、広い田園風景の端っこに、ポツンと鮮やかなピンクが遠くに見えたので、更に細いガタガタのあぜ道を走って近くまで行きました。

周りには何もないですが、根元には小さなお堂があり、柔和な表情の釈迦如来坐像と地蔵が安置されていました。大きく二段に分かれて花が垂れる姿はとても美しく優雅でした。後ろ側(向かって右側)の枝に花が咲いていないのが気になり、見頃を過ぎたからかと思いましたが、後に確認すると、その枝は以前から花がついていないようでした。

遠くからでも近くからでも絵になる桜ですが、当日は生憎の曇天であったため、近づいて下から見上げるアングルになると、曇り空が入るため全体的に暗くなってしまいました。露光を変えて何回か撮影したものの、桜の色は繊細なため結局うまく撮影できませんでした。当時はリバーサルフィルム使用であったため、特に難しい状況でした。

随分後にインターネットで調べると、見頃は4月上旬から中旬とのことで、当時は通常は葉桜になっていてもおかしくなった時期だったので幸運だったのでしょう。また、根元まで行ける綺麗な道路が出来ていたり、周りが綺麗な芝生になっていたり、堤防なのかコンクリートで囲まれている部分も見受けられ、それらを外して撮影するのは一苦労とも書いていました。桜の背後の山肌も木が広範囲に切られて殺風景にもなっており、できるだけ自然な状態で保存されることを祈っています。