静岡県の滝 H7.9.16    

白糸滝
平成6年から8年の間、仕事の都合で東京に住んでいた時は、地元の大阪からでは訪れにくい地域への旅行が日々の楽しみとなっていました。とはいえ、東京へ移り住んだ時はペーパードライバーだったため、当初は交通手段利用で訪れることが出来る場所に限られていました。1年経過した時点で「これではいけない(仕事より遊びを重要視するのも問題ですが)」と一念発起し、慌てて中古車を購入し、残り1年でどれだけ車でしか行けないような場所を巡ることが出来るかチャレンジしました。

その結果あちこちを車で走り回ったのですが、当時はインターネットもなく、情報が足りないままでの旅行だったため、ある地域に行った後に「すぐ近くに良い場所があったのに、勿体ない」という失敗や、当時のリバーサルフィルムを使用しての撮影でうまく撮影出来なかったりと、労力を費やした割に結果はイマイチでした。

静岡県での撮影も同様で、思ったより数少ない同県の滝ですが、大きな滝がいくつかある中でも、結果として当時知っていた滝しか訪れることが出来ませんでした。更に未訪問の滝を撮影した上でこのページを作成するのが理想ですが、大阪から静岡まで訪れるのには結構な金と体力と根性が必要で、いつ撮影できるか分かりません。という事で、数は少ないですが、とりあえず撮影した分だけ掲載したいと思います。

白糸滝(富士宮市・20m) 
国の名勝・天然記念物であり、「富士山・信仰の対象と芸術の源泉」の構成遺産として世界文化遺産にも登録されています。更に歩いて5分程の場所にある「音止滝」と合わせて、「日本の滝百選」にも選ばれている他、日本三大名瀑に数えられることもあります。古代からの堆積物の上にある溶岩流の隙間から富士山の地下水が流れ出ている珍しい「潜流瀑」で、細い流身が幅200mにも及ぶ姿はとても神秘的です。周りは結構な観光地化となっているのが残念ですが、気軽に訪れることができます。 

音止滝(富士宮市・25m) 白糸滝と合わせて見られることが多い滝ですが、幅広の流身を静かに水を落とす白糸滝とは対照的に、大量の水を豪快に落とす姿をしています。水量が多いため滝壺も広くなっています。名前の由来は、鎌倉時代にある兄弟が父の仇を討つ密議をするも、滝の轟音で話が聞き取れないため、兄弟が神に念じたところ、滝の轟音が止んだという伝説によります。

赤水滝(静岡市・50m) 
静岡市内とはいえ、静岡県の最北部に位置する秘境地にある滝です。市街地から県道27号~29号をひたすら北上し、最北地にある梅ヶ島温泉の手前4キロ程にある展望台から見ることが出来ます。二段になって豪快に水を落とす姿は圧巻の一言です。宝永4年(1707年)に発生した大地震と洪水により、付近の山が大きく崩壊し、山肌を削る褐色の濁流が下流へと流れた光景から「赤水滝」と呼ばれるようになったとの事です。展望台から見えますが、逆をいえば対岸にある滝を遠望するしかありません。訪れた当時は滝と展望台との間にケーブルが垂れ下がり、撮影の邪魔をしたため、ケーブルをファインダーから外すために展望台から崖の途中まで降りてみたところ、更に下まで滑落してしまい、死にそうになりました(購入したばかりの眼鏡も崖に消えていきました)。更に上に戻るにもかなりの時間を費やし、恐怖と後悔の記憶が残りました。その後やはり不評だったのか、現在ケーブルは撤去されています。

安倍大滝(静岡市・90m) 上記赤水の滝を更に直進し、梅ヶ島温泉まで進みます。ちなみにもう1ルートがあり、山梨県身延町から県道878号(豊岡梅ヶ島林道)を使用し、安倍峠を越えるコースですが、全舗装も細い道が延々と続く酷な道なのでお薦めしません。県道沿いの滝入口から徒歩30分程ですが、途中恐怖の吊り橋があるのでご注意下さい。滝自体はとても高い場所から水を落としていますが、あまりに高すぎてイマイチ高さが分かりません。滝壺もなく周りの狭いため引きが取れず、構図も決まってしまうのが難です。水量の多い時は、まともに全身に水を被ること間違いないので、水量の多い時期は訪れない方が良いのかもしれません。なお、この滝は「日本の滝100選」に選ばれています。

白糸滝

白糸滝

赤水滝

赤水滝

安部大滝

音無滝

音無滝