龍安寺(京都市右京区)R5.3.26
大雲山龍安寺は臨済宗妙心寺派の寺院で、大本山妙心寺の境外塔頭です。元々は永観元年(984年)に建立された円融天皇の御願寺である円融寺の境内地でしたが、円融寺が衰退し、平安時代には藤原北家の流れを汲む徳大寺実能の山荘となっていました。その山荘を細川勝元が譲り受け、宝徳2年(1450年)敷地内に龍安寺を建立しました。

応仁の乱(細川勝元らと山名宗全らが争う)の際、細川勝元は東軍の総大将であったため、真っ先に龍安寺は攻撃を受け、応仁2年(1468年)に焼失しました。その後、勝元の子である細川政元が長享2年(1488年)に龍安寺を再興しましたが、寛政9年(1797年)の火災で食堂・方丈・開山堂・仏殿等主要伽藍が焼失しました。そのため、塔頭の西源院(現在は妙心寺の塔頭)の方丈を移築して現在の龍安寺の方丈となっています。

龍安寺といえば石庭が有名ですが、桜の名所でも有名です。私は桜を目当てに訪れていましたが、観光客(その殆どは外国人でした)は石庭が目当てなのがすぐに分かりました。実際石庭を観覧出来る縁側には外国人が多く陣取り、じっと石庭を直視する姿が多く見られました。海外からわざわざこの石庭を見に来ているのが感じられ、さすがは世界遺産だと思いました。

石庭にはシダレザクラが咲くのが有名でしたが、肝心の桜は見頃どうこう以前に、かなり小さくなっており、見頃だとしても全然枝垂れていない状態でした。意図的なのか、自然にそうなったのか不明ですが、結構ショックでした。早々に諦めて、雨の中付近の桜を探しますが、鏡容池付近の桜は順当に咲いていたものの煌びやかさに欠け、境内西側にある桜苑も見頃を過ぎたものばかりでした。

境内を一通り見て、かなり厳しい結果だと思っていると、ふと来客駐車場の方に多くの桜が見えました。駐車場脇にシダレザクラが数本まとまって花を付けており、壮観な姿を見せていました。一瞬興奮しましたが、よく見ると見頃を過ぎているのはすぐ分かりました。それでも贅沢を言っていられないとばかりに、一生懸命撮影しましたが、嬉しいことに、駐車場は第一・第二それぞれにシダレザクラが数本植えられていたので、二度チャンスをもらった気がしました。結局見頃を過ぎているので満足出来る撮影内容ではなかったですが、悪あがきした画像を掲載します。また来年以降必ず訪れたいと思います。