光前寺①(長野県駒ケ根市)R4.4.18
光前寺は天台宗の寺院です。伝承によれば、円仁の弟子である本聖が貞観2年(860年)に創建したとのことですが、詳しい内容は戦火により資料が失われており不明です。天正・慶長時代には武田氏・羽柴氏などの庇護を受け、寺領を広げた時期もあったものの、明治時代に入り塔頭末寺の多くが廃寺となっていきました。それでも現在でも1
0余りの塔頭を抱え、深い森の中に広い境内を持つ信州屈指の大寺であり、南信州有数の祈祷霊場として広い信仰を集めています。

この光前寺がある駒ケ根~伊那~飯田の地域は「伊那路」と呼ばれ、この付近には桜の銘木が多いことで有名です。他ページで掲載しているように、私も過去には何度もこの地に足を運んでおり、勿論光前寺についても桜の名所として把握していたのですが、この寺だけが他の名所から離れているため、この時まで後回しになってしまっていました。

中央道・駒ケ根ICを降りて、道の脇に光前寺の案内板が多く立っているので、迷うことなく行くことが出来ます。実際に行くと観光バスが数多く来ており、人気度の高さがよく分かります。寺は木曽山脈の中腹の森の中にありますが、住宅地を抜けたすぐ先にあるので寂しい雰囲気は皆無です。寺が見えた途端入口にある仁王門には既に大きなシダレザクラが見え、思わずテンションが高くなります。その左側が駐車場ですが、駐車場沿いにはシダレザクラが数多く並ぶその足元に、多くのスイセンが植えられており、とても綺麗です。私が訪れたときは駐車場横の桜のピークが一部過ぎており、特に背後にある大講堂付近の桜はギリギリのタイミングでしたが、駐車場側の若干小さめのシダレザクラはまだまだ見頃だったので、スイセンとの組み合わせの撮影を楽しみました。但し駐車場横なので、欲張ってフレーミングすると車が入ってしまうので注意が必要です。

仁王門から境内に入りますが、意外と境内には桜があまり多くありません。入口の華やかさとは裏腹に、樹齢を重ねた巨木が連なる薄暗い森であり、その中に山門・本堂・三重塔等が点在しています。三重塔の前と、その付近の比較的若木が多い森付近には、細かい花びらの桜が咲いており、巨木ではないものの、暗い中で美しい姿を見せてくれました。

その後仁王門から境内を出て、駐車場と逆の方角に向かって境内沿いに歩くと、すぐに巨木揃いの桜並木が見えてきますが、それらについては別ページに掲載します。