勝間薬師堂(長野県伊那市)H18.4.23
  
高遠城址公園から南に1km程行った、同公園を上から見下ろす丘にある桜です。勝間の里と呼ばれる場所に樹齢約140年にも及ぶ巨木の桜があります。周りは田んぼと、部分的にお墓があるくらいで、桜の下には小さなお堂があります。お堂の横から後ろの丘の上にも登ることができ、桜と下の村とが見下ろせるようになっています。

元々桜のある場所には、慶長8年(1603年)に真言宗法壺山妙光寺という寺が建てられていましたが、安永時代(1170~80年頃)に廃寺となり、現存する薬師堂のみが残されました。その後、安政の頃(1855~60年)に勝間の里人がしだれ桜を植樹したもので、今では周囲を圧倒するほどの姿になっています。

高遠城址公園の近くでありながら、桜の満開時期は高遠を含む周りの桜より1週間は遅れるとのことで、付近の桜とまとめて撮影したい人には悩ましいところです。私が訪問時は、桜の開花が遅かった年であり、4月中旬が見頃の高遠の桜が満開であったものの、勝間薬師堂の桜もまた満開でした。嬉しい誤算でしたが、本当の誤算は曇り空だったため、桜の色が綺麗に映らなかった(特にリバーサルフィルム)事でした。これだけ見事な桜を前にしながら、桜の色が暗かったり、逆に明るすぎて飛んでしまったりと、とても悔しい思いをしました。必ず再訪したいと思います。

なお、この近くのお墓にもいくつか立派な桜(比較的背は低いですが)がありますので、撮影を楽しむことができると思います。