常寂光寺(京都市右京区)R5.3.25
常寂光寺は嵐山の西側に位置する小倉山の麓にある寺院です。平安時代には藤原定家の別荘があったと伝わる地に、安土桃山時代末の文禄5年(1596年)に小笠原秀政の母で日野輝資の幼女である延長壽院が開基となり当山を開きました。その常寂光土のような風情から常寂光寺の寺号がつけられたそうです。境内の庭園には200本余りのカエデの他、イロハモミジやオオモミジも植えられており、秋には境内全体が赤く染まります。

境内に入るとすぐ上り坂が始まり、一番奥にある多宝塔まで登りが続きます。それほど広い敷地ではないですが、本堂・多宝塔・仁王門・山門・庫裏・書院等数多くの建物があります。

嵐山の名所の一つである常寂光寺ですが、紅葉の名所のイメージが強く、桜があるようには思っていませんでした。付近の桜を見るついでに常寂光寺も訪れた次第でしたが、入口の山門脇に大きなシダレザクラがありました。少し広い空地と白い蔵がある横に、木自体は細いものの、高さは7m程で横に広がった枝ぶりが立派な姿を見る事ができました。見る角度によって姿を大きく変える桜で、空地の正面から見るのが一番美しいと感じました。

期待を膨らまして中に入ったのですが、正直境内には桜自体が殆どありませんでした。多宝塔横に小さなシダレザクラがあるのですが、桜の種類が違うからか見頃には早い状態で、多宝塔と組み合わせたアングルで撮影することができませんでした。多宝塔裏の傾斜を登っていくと、細い遊歩道脇に綺麗なツツジが咲いていましたが、時期的にはまだ早く、チラホラと見られる程度でした。

境内を出て、山門から東側に続く車道(恐らく関係者以外立ち入り禁止だと思います)付近まで桜を探しに行きましたが、遥か山の上に一つ桜が見えた他は全くありませんでした。新聞の開花情報にも常寂光寺の名前がありながら、ここまで桜がないとはビックリでしたが、山門横の桜は見ていただく値打ちはあると思います。

桜の写真が少なく寂しい限りですので、すぐ近くにある落柿舎に咲いていた桜(下部2枚)も一緒に掲載します。