地福寺(大阪府泉南市)H22.4.4
  
大阪府と和歌山県の県境付近にある地福寺は、江戸時代に紀州街道の宿場町として「山中宿」があった地域になります。昭和中期頃までは温泉宿としても賑わいを見せていたものの、現在では比較的静かな場所となっています。その紀州街道のちょっと外れた場所に地福寺は存在します。

地福地は元々明治維新の大改革で廃寺となった神光寺という寺をを明治18年に移築したのが始まりです。昔から安産の神様として知られており、多くの人が参拝に訪れているようです。

私は、全国には有名な桜の巨木がいくつもあるものの、私の地元である大阪府内には有名な一本桜がないと思っていました。大阪府の桜の名所としては「大阪城公園」等が有名ですが、それらの名所は「桜が多くある場所」でした。この寺の桜の存在を知ったのは、写真撮影を始めてから随分経ってからであり、正直期待もしていませんでした。但し地福寺近くの「山中渓」も桜の名所であり、ついでの形として訪れやすい場所でもありました。

和歌山に近いこともあり、満開時期は早めと見込み、4月上旬に訪れました。寺の近くに来るまで、桜はおろか、寺があるのかさえ疑問に思うくらい存在感はありませんが、車道から細い路地を左折して奥にある寺を見た途端、思わず驚きの声をあげてしまいました。

地福寺境内は狭い空間にありますが、その空間を覆い尽くす程の枝垂れ桜の巨木が強烈な存在感を出していました。枝垂れ桜の先は地面に覆いかぶさり、地面に向かって咲いて広がる姿は、見応え抜群でした。大阪にこんな立派な一本桜があるとは本当にびっくりしました。

入口から見てバックが山であり、入口から眺めた桜が一番形が良く見えるので、入口付近からの撮影がメインになりやすいです。これほど立派な桜がありながら、訪れる人はそれほど多くないので思いの外撮影はしやすいです。しかし立派な桜を表現しようとすると、どうしても全体的な構図になるので、撮影時に人が入りやすいのは仕方ないと思います。

なお、かつての境内には、先代の桜の木が立っていたと言うのですが、早くに枯れてしまったと言い、現在境内を覆い尽くすように咲き誇る「しだれ桜は、樹齢が約60年ほどの二代目であるそうです。