日の岬(和歌山県美浜町)H12.4.5     
日の岬は正式には「日ノ御埼」と書き、紀伊半島最西端に位置する岬です。和歌山県立煙樹海岸自然公園の一部で、辺りは深い森に囲まれた標高200mの高台になっています。紀伊水道や太平洋を見渡せるこの場所は、夕焼けの美しさでも有名になっています。

岬の先には1895年(明治28年)から稼働している紀伊日ノ御埼灯台があり、周辺は日の岬パークとして整備されています。パーク内には「日の岬国民宿舎」もありましたが、残念ながら2015年に閉鎖となりました。

交通手段を利用して行くには、紀勢本線御坊駅からバスに20分乗車で「海猫島」まで行き、そこから歩いて45分の場所にありますが、道中は険しい登りの連続なので、あまりお奨めしません。車で行くのが一般的ですが、海沿いの県道20号線はかなり車幅が狭いので運転にはお気を付け下さい。

日の岬に至るまでは桜の気配すら全く感じない風景が続きますが、日の岬の高台が見えてくると、その頂上付近だけ不自然なほどに真っ白になっています。頂上付近にはヤマザクラを中心として約2000本の桜が咲いており、頂上付近から桜と海とのコラボレーションを見る事ができ、また、標高の高さがある上に、ほぼ360度の風景を見渡せるので、スケールの大きい写真を撮ることが出来ます。

また、日の岬パークに至る傾斜のきつい車道付近からは、ソメイヨシノを中心とした多くの桜を見る事ができ、頂上付近のヤマザクラとはまた違う風景が広がっています。

最後に、日の岬の手前にある三尾地区では、カラフルな洋風の家を沢山見ることが出来ます。この地区では明治時代から戦後までの間に、貧しい暮らしから逃れるために集団でカナダに移住しており、その人たちが帰国した際に建てた家が残っています。それらの人たちは最終的には再度カナダに移っては日系カナダとして現地に定住し、現在は空き家も目立つそうです。そのような苦労をされた人たちの痕跡を知ることが出来る資料館(カナダミュージアム)が三尾地区にあるので、是非立ち寄ってみて下さい。