氷室神社(奈良県奈良市)H23.4.3
氷室神社は奈良公園の中にある神社です。近鉄奈良駅から奈良公園へ向かうと、10分程でバス通りの進行方向の左脇に見えてきます。

神社の境内はそれほど広くないですが、奈良時代から続く歴史ある神社です。元々は、711年に稲作の豊作を祈願する為に氷池や氷室を作り、その氷を平城京に献氷する儀式を行っていたのが神社の始まりとされています。そのため氷室神社は全国でも珍しい氷の神を祭る神社であり、現在も毎年5月1日に行われている「献氷祭」には全国各地より製氷・販売業者が参列し、業績成就を祈願しています。

他にも社務所でお布施の代わりにかき氷を購入・お供えをした後で、そのかき氷を食べられたり、氷に触れさせることで初めて字が浮かび上がるおみくじ等、氷にちなんだ変わったイベントが数多くあります。

この氷室神社の桜は、奈良で一番早く開花する桜として有名であり、地元では「奈良の一番桜」と呼ばれているそうです。数多くある氷室神社の桜の中でも、本殿前にある枝垂れ桜は樹齢100年と言われ、見頃にはかなりの見応えある姿を見せてくれますが、実際には古樹のため手厚い保全活動で元気を保っているそうで、最近では他の桜の木が元気な姿を見せている事も多いそうです。

実際別のHPに掲載されていた平成26年当時のこの桜の写真を見ると、若干元気が無さげでしたが、そのHPのコメントに「現在はこの写真よりも樹勢は衰えていますので、比較的元気であった時代の写真としての参考とお考え下さい」とありました。私が撮影したのは最後の最盛期の写真であったようで、間に合って良かったという気持ちと、これほど素晴らしい桜が朽ち果てていく悲しさが入り混じった想いを感じました。