花咲線(根室本線・釧路~根室間)H13.9.18
根室本線は滝川~根室間の路線ですが、釧路~根室間は花咲線という愛称が付けられています。明治29年(1896年)に旭川~釧路間を繋ぐ路線として着工し、明治40年(1907年)に狩勝トンネルの完成をもって全通し、釧路線として開業しました。大正2年(1913年)には滝川~下富良野間の新線が開業し、起点を旭川から滝川に変更すると共に、釧路本線と改名されました(旭川~下富良野間は富良野線として分離)。その後大正10年(1921年)に根室まで延伸したと同時に根室本線と改名されました。

赤字経営で知られるJR北海道は、根室本線のうち自社単独で営業できるのは新得~帯広間のみで、花咲線区間も即廃止にはならないものの厳しい状態です。実際釧路を出発すると根室まで殆ど民家がない上、ほぼ全て無人駅です。しかし沿線は森林や湿原、海岸線を走る美しい景色が続き、車窓からは道東ならではのダイナミックな風景が広がります。私が撮影地に選んだのは厚岸~糸魚川間で、撮影地として有名な場所です。撮影時間に余裕がなく、出来るだけ釧路から近い場所であることが必要だった理由から選びましたが、湿原が広がる非日常的な場所を、単行の鉄道が走る姿はまさしく北海道でしか見ることができない景色でした。本数が少ないので1往復分しか撮影できませんでしたが、良い思い出になりました。