大山付近の滝(鳥取県琴浦町)H21.10.3    

鱒返しの滝
大山は中国地方の最高峰で、剣ヶ峰(1729m)を主峰とする山々の連なりです。但し剣ヶ峰は立入禁止であったことや、山岳信仰の祭事を第二峰である弥山(1711m)で行ってきたことから、一般には弥山を頂上と扱っています。奈良時代の養老年間に山岳信仰の山として開かれてから、現在まで大山信仰が残っています。現在も大山の北西側の山腹には、大神山神社や大山寺といった寺院があり、明治時代までは一般人の登山が禁止されていました。

その寺院が並ぶ北西とは逆の、大山の北東側には、自然豊かな場所に大きな滝がいくつか存在します。代表的なのは「日本の滝100選」にも選ばれている「大山滝(落差43m)」です。県道45号から加勢蛇(かせち)川沿いの道を入った先に登山道入口があり、そこから徒歩で40分程で大山滝に到着します。滝は深く狭い谷の真下にあり、最後は急こう配の坂を下っていきますが、足元がおぼつかない場所もあるので注意が必要です。上から見ると2段の流身がよく分かりますが、以前までは3段だったそうで、昭和9年(1934年)の室戸台風により中段が崩壊し現在の姿になりました。一番下まで降りて見上げると、2段目があまり見えないうえに、構図が単調になりがちなので、一つ工夫が必要です。

大山登山道に入ってすぐの場所に「鮎返しの滝(落差15m)」があります。大山滝方面から途中で逆方向に向かう脇道にありますが、上流から向かう形となるので、近くに来るまで滝の存在が分かりませんでした。滝の前に立ったとしても、本当に15mの落差があるのかと思うほど小さな滝でしたが、水の美しさと水量の多さは良かったです。

大山の北側には、大山滝を大きくしのぐスケールの「鱒返しの滝(落差47m)」があります。県道34号の、船上山(616m)登山口の1キロ西の道脇に小さな看板があり、そこから滝の展望台までひたすら坂道を登ります。15分程で展望台に到着しますが、そこから滝までは谷を挟んでおり近づけません。中央部で膨らんだ樽型の流身が美しい滝ですが、日々の水量に差があり、水が少ない時もあるとの事でしたが、訪れた時はとても水量が多く幸運でした。滝つぼから更に2つの小滝を従えているので、正確には3段の滝です。

なお、その日は大山付近の滝の撮影後、岡山方面の滝を巡りましたが、殆ど滝の水量が無く、撮影になりませんでした。それほど時間も距離も離れていない中で、何故大山付近だけが水量が豊かだったのかは理解できませんでした。

鱒返しの滝

鱒返しの滝

大山滝
 

大山滝

大山滝

大山滝

鮎返りの滝