屏風岩公苑(奈良県曽爾村)R5.4.8
屏風岩公苑は奈良県宇陀市と曽爾村の境界近くにある公苑です。国道369号からも県道からも離れた場所にあり、入り組んだ林道を走る割に公苑の看板もかなり少ないので、カーナビ又はスマホを頼りに現地に向かうのがお薦めです。

公苑のすぐ横には形状摂理の岩壁が聳え立ち、あたかも屏風を立てたようです。高さは200m、横幅は2キロあり、ノコギリの刃にように鋭い姿です。この屏風岩は兜岳の西側に位置する標高940mの崖で、屏風岩の尾根をハイキングすることもできます(かなりしんどそう、かつ怖そうですが)。春には大木の山桜が咲き乱れ、秋には紅葉で彩られる岩壁とのコントラストの美しさで知られています。なお、昭和9年12月に国の天然記念物に指定されています。

以前から屏風岩公苑の桜を見に行きたいと思っていながら長年訪れていなかったのは、この公苑の標高が高く、奈良県内で最後に咲く桜のため、他の場所の桜と同時期に撮影するのが難しかったからです。当日は比較的屏風岩公苑に近い場所にある仏隆寺・西光寺の桜を見に行くついでに寄ろうとしたものでした。

別ページ「奈良東部の桜」にも書きましたが、結果として他の場所の桜がほぼ全て葉桜になっており、例年4月下旬が見頃とされている屏風岩公苑に最後の望みを託しました。しかしながら、4月8日時点ではさすがに難しいかもと思い、期待はしていませんでした。また、始めに書いたとおり道中は何の看板もない山道をひたすら走り、本当に道が間違いないのか不安でした。

スマホのカーナビでは、目的地まであと10キロ程とまだまだの距離でしたが、突然屏風岩公苑駐車場が出てきました。不思議に思って駐車しましたが、駐車している車が4台程しかありません。きつねにつままされた感がありましたが、斜面のはるか上には桜が見えます。駐車場の脇には手で開けるゲートがあり、そこから登っていくこと20分程で屏風岩公苑に到着しました。まだ4月上旬なのに桜は丁度満開で、噂通り岩壁とのコントラストがとても綺麗でした。公苑といっても正直桜と岩壁しかありませんが、桜が想像以上に大きくて立派であり、公苑も横長ながら広い芝生もあったり雄大な雰囲気がありました。様々な角度から撮影が出来、とても有意義な時間を過ごせました。難を言えば当日は曇り空だったので、写真の色があまり映えなかったのは残念でした。

なお、公苑入口には別に駐車場があり、山登りをする必要はありません。但し私が訪れたときは満車であり、500円の駐車料金がかかります。ちなみに下の駐車場でも500円徴収の張り紙がありますが、駐車場にいた警備員のおじいさんに声をかけたところ、「スタッフがいなかったら料金は結構です」とのことでした。私が訪れたのは昼前だったのですが、いつになったらスタッフはいるのか疑問に思いました。