安国寺(京都府綾部市)R1.11.22
安国寺は正暦4年(993年)に、地蔵菩薩像を安置し光福寺としたのが始まりです。建長4年(1252年)に上杉家が菩提寺としたことで隆盛し、さらに足利尊氏の母である清子が上杉家の出身だったため、足利氏からも比護されました。最盛期には塔頭16、支院28を要する大寺となりましたが、将軍家が衰退すると寺も衰退しましたが、寛保3年(1743年)には再建され現在に至っています。

安国寺は紅葉の名所として知られていますが、場所が丹後地方の山間のため、全国的な知名度は高くありません。しかし駐車場から山門までの石段までの間にも、既にモミジの木で覆われており、紅葉の名所としてもかなり質が高いことが分かります。但し、日の当たり具合なのか見頃とピークを過ぎているものの違いがはっきりしていました。

山門から境内に入った印象は、「広いというよりガラーンとしている」でした。境内の真ん中に平屋の仏殿があり、脇には鐘楼と庫裡がありますが、他に目立った建物がないため、敷地以上に広く感じました。山門から入って右側は、モミジの木が所せましと植えられており、紅葉の見頃となっていました。正確には若干ピークを過ぎていた時期でしたが、この年はまだまだ綺麗な紅葉を見ることができました。また、仏殿はからぶき屋根の綺麗な建物で、モミジとの相性が良かったです。

これだけ密集したモミジを境内で見ることができて得をした気分でしたが、何故かほとんど観光客はいませんでした。ピーク時には大勢の人で溢れかえっていたかもしれません。